行動情報科学(Behavior Informatics)は、人の行動や思考パターンを解析する『行動科学』と、統計学やデータマイニングなどを駆使した『情報科学』を組み合わせた、FRONTEOが提唱するコンセプトです。 FRONTEOはこの行動情報科学に基づいた独自のテクノロジーを確立しました。AIによって、コンピュータが柔軟に専門家の判断を学び、人間をサポートする。このテクノロジーによって人間の生産性が上がり、本来やるべきことや、やりたい仕事に集中できるようになる-そんな未来を創造します。
FRONTEOの創業の理念は、日本企業が国際訴訟で戦う際、海外企業との間にある格差を解消したいという、フェアネス(公平)の実現にあります。そしてその理念を実現するソフトウェアとして2010年に誕生したのがデータ解析プラットフォームLit i View(リット・アイ・ビュー)です。 電子メールやビジネス文書といった、ビジネスの活動の中で生み出す非構造化データが急速に増大し、ビッグデータ化していくなかで、増えすぎたデータの中から必要な情報を探すのは、積み上げられた干し草の山の中から、たった1本の特定の干し草を探すようなものです。 「Lit i View」は、国際訴訟において大量のデータの中から、証拠や不正行為に関わる情報を素早く正確に発見するために開発されました。これをさらに進化させ、より素早く高い精度で情報を抽出するために、私たちは自然言語処理、テキストマイニング、機械学習などの技術を応用したFRONTEO独自の自動文書解析技術『Predictive Coding』を開発しました。
ビッグデータの有効活用に不可欠な職業として、ここ数年データサイエンティストが注目されています。データサイエンティストには、高度なITスキルと統計スキル、実ビジネスに活かすためのビジネスドメインの知見が必要と言われています。しかし、実際にこのようなスキルセットを持った人材を育成してビッグデータを活用するには、まだハードルが高いのが現状です。 こうした状況に対する新たなソリューションとして、FRONTEOは独自技術のPredictive Codingをさらに進化させ、AI「KIBIT(キビット)」を開発しました。「KIBIT」は、膨大な電子データに対し、従来のクラスタリングや傾向分析のみならず、事例データベースや行動科学の成果を基にした定性的アプローチといった、より人間や社会に対する知見を活用した分析を行い、ビッグデータの中にある人間の行動やコミュニティの見える化や未来を予測することを可能にします。
「Lit i View」は、AI「KIBIT」を提供するプラットフォームとして、さらなる進化を遂げようとしています。FRONTEOの既存事業であるディスカバリやフォレンジック、Eメール監査等関連製品のバージョンアップを牽引するコアテクノロジーとしての存在。さらに、知財、医療、マーケティングなどの新規分野にも適用が進んでいます。現在では、それぞれの分野における製品やサービスのプロトタイプ開発から実証実験の段階に来ており、本格的な製品化は目の前。FRONTEOのAIが人間の社会や生活をより良くするという世界が待っているのです。
FRONTEOの「行動情報科学研究所」というステージは、非常にチャレンジングな環境だと確信しています。社会をより良くするテクノロジーを自らの手で創り出し、ものづくりの手応えと社会あるいは顧客への貢献、ビジネスとしてのやりがいを同時に感じることができます。 またFRONTEOは、独自のテクノロジーによって他社製品との差別化をはかっています。 行動情報科学研究所のメンバーは素粒子物理学、言語学、情報処理、社会学、統計学など様々な分野の人材で構成されており、それぞれの専門性を活かして技術的な課題に挑戦しています。 そして、私たちが技術的な課題を驚異的な速さで解決できているのは、研究チームに、自分たちが研究開発を通じて生み出した技術・製品を通じ、社会によいインパクトを与えていくという気概があるからと感じています。 このような環境の中で自分のスキルを生かして積極的に現実の課題と向き合い、それを楽しめる方々が私たちの仲間になることを心から楽しみしています。