経営層は何を根拠に様々な決断を下すのか、直感もあるかもしれませんが、やはり売上やシェアなど数字というのが大事な根拠になるんだろうなと思います。大学で会計について学んだことで、そういった数字を扱う経理という仕事に興味を持ちました。また、私は親の仕事の都合で、小学校の数年間を米国で過ごしたので、英語でのコミュニケーションにもある程度自信がありました。就職の際はその両方を業務で生かしたい思い、いろいろ情報収集した結果たどりついたのが、当時NASDAQに上場していたFRONTEOでした。日本の会社でNASDAQに上場するというのはどういう会社なのか、とても興味をそそられました。実際に面接を受けると、とにかく担当者の熱意がすごく、今すぐにでも入社というぐらいの勢いでした。同じ仕事をするならやはり熱意のある人たちと一緒に仕事がしたいと思い、FRONTEOへの入社を決意しました。
私は2019年の4月に入社しましたが、希望通り経理部門への配属となりました。まずは国内の業務を担当することから始め、それがある程度こなせるようになれば米国の業務に携わるチャンスがあるのかと思っていたのですが、配属から数ヶ月という予想よりかなり早いタイミングで米国子会社の経理業務についても担当することになり、FRONTEOという会社のスピードの速さを実感しました。
そして入社2年目以降は、国内と米国の業務を半々で担当することになりました。経理業務というと、費用と売上、会社から出るお金と入るお金を管理するというのが基本なのですが、国内については売上を管理しています。ただ売上の管理と言っても、現在はライフサイエンスやビジネスインテリジェンス、経済安全保障などの新規事業が増えてきていることで、それぞれのサービスに会計のルールを当てはめていくということが必要になっています。しかも、例えばAIを使って創薬を支援するなど前例がないものも多く、我々はもちろん監査法人も知見が十分ではないため、毎日が勉強という感じで苦労もあるのですが、新しい物を作っているという点で大きなやりがいを感じています。
米国の業務については、米国子会社の経理部門の一員として、米国子会社および米国子会社の関連会社があるフィリピンのスタッフと連携して米国の費用を管理しています。入社前から希望していた英語でのコミュニケーションが必要なのですが、やはり小学生の英語とビジネスの英語は全く違うので、最初は戸惑いもありました。また、母国語であってもなかなか100%自分の考えを伝えるというのは難しい面がありますが、外国語ではなおさらです。ただ、最近は何故伝わらないのか、どうしたら伝わるのかを考えることが楽しくなってきて、仕事の進め方も含めて、自分なりに工夫するようにしています。
今、私が業務を通して学んでいるのは、これまでの業績を扱う財務会計というものです。そして財務会計の経験を積んで過去の数字を扱えるようになれば、その先には、未来の数字を予測する管理会計という分野につながり、より経営に近い部分で会社に貢献できると思います。もともとの出発点も、そういう数字を扱ってみたいという所にあったので、今は管理会計に携われるようになるというのをひとつの目標にしています。そしてもうひとつの目標が米国での勤務です。グローバルに展開する企業への入社を希望した理由は、海外勤務を見据えたものでした。これらの目標を実現するために、まずは経験を積み重ねて、会計とコミュニケーションの知識を深めていきたいです。